掲載新聞 |
日本経済新聞
社説 『「低炭素で豊かな生活」問われる企業』 |
URL |
NIKKEI.NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091115AS1K1300713112009.html |
発行日 |
2009年11月16日(月) |
新聞社 |
日本経済新聞社日本/株式会社 日本経済新聞デジタルメディア |
記事内容 |
家づくりから工夫を
家庭からの分は14.1%。少ないようだが、消費財の生産、商業やサービス業、買い物の移動などを足すと総量の約6割が個人の生活によるとの試算もある。生活のあり方が変われば影響は大きい。
第1のカギは家づくりだ。
東京都内に「経堂の杜(もり)」というマンションがある。環境共生型の家を専門とする会社が造った。北側にケヤキの大木5本を残し、南側には落葉樹を植栽。ベランダにはウリ科の植物で天然のすだれを作った。夏は日射を遮り冷気を入れ、冬は日照を確保。建物は断熱工法だ。気温が35度でも室内はエアコンなしで27度に抑え、冬は明け方でも14度までしか下がらない。好評から同種の集合住宅をほかに2棟手がけた。
大手企業ではパナソニックや新日本石油が燃料電池などを用いCO2の排出をゼロにしたモデル住宅を完成させた。家を巡るさまざまな試みが具体的な形を見せつつある。
日本の住宅の平均寿命は30年弱。米英の半分程度だ。高度成長期に建った家がいま寿命を迎える。短命を逆手にとり、エネルギー効率のいい家を増やす好機にしたらどうか。
そのためには環境性能の分かりやすい表示が必要になる。ドイツでは素人にも分かるエネルギー効率の指標を家ごとに示す。クルマでいえば燃費だ。家の燃費が分かれば、家賃は高めでも燃費のいい家を建てる(借りる)という判断を、知識の乏しい消費者も下しやすくなる。
家庭用の省エネ機器はまだ高い。助成金もいいが、普及させるための仕組みも工夫したい。北九州市の芝浦特機は、屋上に太陽光発電パネルを敷き詰めた賃貸住宅を次々に建てている。環境機器のオンウェーブ(東京)は家庭用の風力発電機を月単位で貸し、3カ月の順番待ちだ。大手電機メーカーはLED(発光ダイオード)照明の企業向けリースを始めた。LEDや太陽光発電も個人でお試し利用ができれば喜ばれる。 |
記事クリップ |
 日経新聞 2009/11/16号 2面 社説
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日経新聞 掲載ページ(P2) |
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